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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-290


「・・うん。」

(二人は、肩を寄せ合い、キッチンに向かった。)

「さぁ、さぁ。 お夕飯にしよう。」

「今日は、大勢で。 賑やかだね。」

(紫苑は、そっと涙を拭い。 頷いた。)

「うん。」

***

(夏樹は、食卓に着いた。)

(豪華で、温かな、手料理が並ぶ。)

(自分が飛び出した後、これだけの料理を、用意してくれていた。
心配をかけた、皆と。 元気付けてくれる思いに、
夏樹は言葉に出来ず。 ただ、料理を見つめていた。)

「・・・。」

(皆の思いが、温かく。 心を揺さぶった。)

「きゅん」

(ぽんたは、夏樹の膝に乗り、止まったままの夏樹の顔を見上げた。)

「ぽんた・・。」

(夏樹は、ぽんたの頭を撫でた。)

(膝の上の小さな柴犬は、耳が垂れ。 お腹の茶色の毛も、頭の黒い毛も、



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