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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-29


「ああ。」

「だが、夏樹の中に、それがあることを、知らない。」

(ソラは、夏樹を見た。)

「“闇の力”が、奴を強くする。」

「奴は、“欠片”や“鍵”という入れ物よりも。」

「その中にある、“呪いの力”、“闇の力”自体を欲しているんだ。」

(ピュアが補足した。)

「はいですっ。」

「“闇の魔女”の“呪い”には、不思議な力が働いていて。」

「“鍵”の場所を。 フェルゼンから見えなくし、触れられなくしていますです。」

(ソラは頷いた。)

「エアリエル国で、長年、“闇の樹”を守り続けてきた、

“闇の魔女”リザは。」

「自身の命を絶つために。」

「お前を、“呪い”で殺そうとしてる。」

(水色の瞳は、紺色の瞳を見た。)

「けど、一方で。 お前を守ろうとしているんだ。」

(ソラは、リザと戦った時のことを思い出した。)



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