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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-291


ふわふわに温かかった。)

(夏樹とぽんたは、温かな、皆の視線の中に居た。)

***

(食卓を見つめ。 リビングの窓際に、晃は立っていた。)

[「始まった様じゃな。」]

[「これが、聖の願う、革命の始まりかえ。」]

(晃は、食卓の皆に、微笑みながら。 手元の通信機器から聞こえる妖艶な声に、
耳を傾けた。)

「そうだな。」

「垣根を超えた。」

(晃の見つめる画面の向こうには、風見市で力を貸してくれている、
第一国の能力者の女王。 沙羅が、流れる黒髪を揺らし、微笑んでいた。)

***

「その胸に眠る。 世界を変える力に、」

「気付いていなかったのじゃ。」

(沙羅は、美しく飾り付けられた、長い睫毛を瞬かせた。)

(天女の様な、羽衣が。 透き通る肌に流れる。)

「変革は、一人から起こる。」

「ちっぽけな力だと思うじゃろう。」



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