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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-292
(沙羅は、陶器のように美しい頬を、長い指先でなぞった。)
「だが、ソラも。
そして夏樹も。」
(沙羅は、危機に際しながらも。 出来事を興味深く思い。
まるで、好機を得るように、美しい瞳で、微笑んだ。)
「一人から変革を起こした。」
「変革は、周りの者へ。」
「そして、
うねりはやがて。」
「世界を包もう。」
(沙羅は、祈りを込め。 顔を上げ、目を閉じた。)
(辺りに、芳醇な白檀の香りが漂った。)
「それを、敵も分かっている。」
「だからこそ、潰したいのよ。」
(沙羅は、目を開け。)
(湧き立つエネルギーで前を見た。)
(晃は強い思いで応え、頷いた。)
***
「こんなにたくさん、用意してくれて。 どうもありがとう。」
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