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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-296


「敵の正体は、明かされない。」

「これじゃ、まるで。

FOTや俺たちが、悪者じゃないか。」

(駆は、ニュースやネットを賑わせる、悪い話題に。 画面の向こうで憤った。)

「あることないこと、書き立てられるだろう。」

「ないことを、証明することは、簡単じゃない。

国民は、国の方を信用している。」

(晃は、駆をなだめる様に、頷いた。)

(だが、誰もが、悲観しているだけではない。)

(皆、新しい時代の動きを感じていた。)

(これまで、成し得なかったことが、起こり始めている。)

(ソラは、お茶を手に、皆の輪の中で。 考えを巡らせた。)

「結界を外すために、したことなんじゃないか。

もし、夏樹の生み出す“闇”が、そのまま放たれていたら、

被害はもっと、酷かった。」

「夏樹の力を、抑えるためだったかもしれない。」

「FOTに、自分に代わる結界を、生み出させるためだったか。

結果、被害は。 抑えられた。」



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