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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-297


「失ったものは、大きいが。

あいつは、“壁”を壊す事に、成功した。」

(ソラは、輝く水色の瞳で、皆を見た。)

(少なくとも、そこには、垣根が無い。)

(自分たち子供も、大人も。 異世界の住人も、風見市の友達も。)

(人間も、能力者も。 分かり合う人々が、そこに集っていた。)

「希望はある。」

(ソラは、皆を見渡し、皆の力を感じた。)

(水色の瞳は、嬉しそうに微笑み。 隣に座る、ミイに頷いた。)

***

(賑やかなリビングを抜け。 紫苑は、階段を上り、二階の夏樹の部屋のドアを
そっと開いた。)

(疲労と満腹感で、夏樹は先に、部屋で眠りに就いた。)

(人々の気配と、束の間の安堵感。 snow dropに、皆がいる気配は。)

(夏樹を元気付け。 集う人々の賑わいに。 紫苑も、明るい気持ちを抱いた。)

「・・夏樹くん・・。」

(紫苑は、僅かに開いたドアから、ベッドの上に夏樹が眠っている様子を見て。
表情を和ませた。)

(ぽんたも傍で眠っていた。)



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