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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-299


(夏樹は、ぽんたに微笑み。 身体を起こした。)

キシッ

(ベッドの上に座り。 もう一度、窓の外を見つめる。)

「行ってみようか。」

(朝早く。 まだ、春日家の人々は起きていない。
ぽんたと共に、少し歩いてみたくなった。)

パサッ チリン・・

(ティーシャツを脱ぎ、新しいシャツに着替える。)

(立ち上がった夏樹の足元で、ぽんたが嬉しそうに尻尾を振っていた。)

「くすっ・・。」

「行こう。 静かに。」

「皆まだ、眠っているからね。」

(白い肌の上に、銀の鎖に掛けられた、小さな指輪が光っていた。)

(朝日に包まれ、夏樹は部屋の中で、顔を上げる。)

(これまでの、苦しみとは違う思いが。 夏樹を動かしていた。)

キイッ

カタン・・

(朝露に濡れる、snow dropの庭は、草花の香りがし、
生き生きとしていた。)



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