HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-300


(白いアーチを抜け。 夏樹は、昨晩訪れた、風の丘を目指した。)

***

(今朝は晴れ。 青空と、白い雲が見える。)

(遠くに、風見市を一望し。)

(広い草原の向こうに。

海原が広がっていた。)

ザーッ

(頭上にそびえ立つ風車が、力強く風を受け。)

(海風が、すべてを包み込む。)

「・・ふぅ・・。」

(遠くに広がる、風見市の街並み。)

(国が施した、防壁。)

(海上に開かれた、異世界、エアリエル国への扉。)

(風を、失った自分。)

(すべてを、風は包み込んだ。)

「こんなに、海風は。」

「深く、暖かかったのか。」

(夏樹は、静かに目を閉じ。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ