HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-37


(“時の欠片”は、答える様に。 ソラの手の中で輝いた。)

「一つずつ、“闇”を浄化して行こう。」

(皆は、心一つに頷いた。)

「ああ。」

***

キンコンカンコーン・・

(朝の学校は、熱気に包まれていた。)

(夏休み明け、久しぶりに集う友達は、楽しそうに語り合っている。)

(風見ヶ丘の上に建つ、小学校、中学校、高校、大学が連なる一貫校は、
各校舎とも、賑わいにあふれていた。)

「あ〜あ、宿題終わんなかった!」

(ソラは課題を抱え、諦め、両手を高く上げた。)

「ふっふっ。 先生に怒られるんだ〜っ。」

(ミイは、ソラをからかい、笑った。)

(見える景色は、以前と変わらないように感じる。)

「風は、今日も吹いている。」

(ソラは、教室の一番後ろ。 廊下側の席から。
細長い廊下の向こうに広がる、窓の景色を見た。)

「けど、何かが、夏樹の力を。 止めている。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ