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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-38


(ソラは、机に両腕を投げ出し。 顔をうずめた。)

「聖のことが、ショックだったのかも知れないな。」

「もしかしたら。 粒樹のことで、何かあるのかも。」

(賑やかな教室内は、皆の声であふれ。 ソラとミイの会話を、
聞く者は居なかった。)

「青葉のことが。」

「ひっかかっているんだ。」

(うつむいた水色の髪が、机の上に揺れた。)

「無理ないよ。」

「わたしたちだって。 忘れられないもの。」

(ミイは、ソラの机に寄り添い。 囁いた。)

(俯く腕の中で。 水色の瞳が、瞬いた。)

「・・あいつの心が。」

「どこかで、風を拒絶してる。」

(ソラは、夏樹を想った。)

「風の力を使えば。」

「“闇”を起こすからだ。」

(ソラは、唇を噛んだ。)



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