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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-41


(上空に現れたと思った、気配は。 突如、風見ヶ丘高校の校舎の前に、
集約し。)

(ソラの眼下に、人影を出現させた。)

「来た。」

「善だ。」

(水色の瞳が、鋭く見下ろした。)

***

コッ コッ

(始業間際、慌てて校舎を目指す、学生たちの賑わいの中。)

(その人物の周りだけ。 時が切り取られたように、
重い気配が、漂っていた。)

(走り出す、生徒たちの間を。
慌てず、歩いて行く、少年。)

「・・・。」

(道筋に、一人の少女が居た。)

(少女もまた、他の生徒たちと、同じ時を
過ごすことが出来ずにいた。)

「・・っ。」

(少女は、振り向き、善と対面した。)

「あんた、だれ?」



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