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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-46


「紫苑たちと、旅行に行ったってほんと?」

(夏樹に興味津々のクラスメイト、美菜が、席に着いた夏樹の机に、
身を乗り出した。)

「えっと。 ・・うん。」

(深い紺色の瞳は、伏し目がちに頷いた。)

(夏樹は、以前よりクラスに馴染み。 クラスメイトにも、僅かに
受け答えるようになっていた。)

(紫苑や佐織、チイ、駆が傍に居ることで、夏樹はクラスに居ることが出来た。)

(何より、女の子たちは、夏樹に興味を持っていた。)

(愛想なく、物静かにしている夏樹に、何か事情があることを察し。
また、僅かに通えた日々の中で。 夏樹の本当の人柄の良さを、感じていた。)

「え〜っ!! 紫苑っ、ずるいっ!」

「良いな〜っ。」

「何して遊んだの?」

(ショートカットの髪を揺らし、美菜が、夏樹の隣に座る、紫苑に
わざとむくれて見せた。)

(クラスメイトは、二人が想い合っていることを、承知し。
陰ながら応援していたが。)

(そのことを、許せない、者も居た。)

「はぁっ? 信じらんねー。」



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