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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-49


【それまで・・、見物させてもらうか。】

【・・なぁ?】

(善は言いながら、左の首筋に刻まれた、黒い幾何学模様に触れた。)

(理恵の、左足の付け根にも、同じ模様が刻まれている。)

(模様は、熱く、エネルギーを帯び。 善と理恵から、命をエネルギーとし、
吸い上げ。 生き永らえさせるべき、“闇の魔女”リザへと注ぎ込んだ。)

【くっ・・、くっ・・。】

(“闇化”が起きず、“闇”の力を、リザに注ぐ事が出来なければ、
リザを生かす方法は、他に無かった。)

(善は、“闇”を欲していた。)

ドクンッ・・

***

ガッ・・

バタンッ!

(音々は、勢いよく、二年A組の扉を開いた。)

(弾き返される、扉の音に。 誰もが驚き、振り向いたが。)

(音々は、気にも留めず、真っ直ぐに。 目指すべき、人物を見た。)

ドッ・・

(ただならぬ気配と、音々の持つ覇気に。 クラスメイトは、避け、道を開けた。)



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