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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-51
(涼は、夏樹を見下ろし。 吐き捨てるように、指さした。)
「聞いてやれよ。 ああ!?」
(弾き飛ばされ、机につまずいた佐織を、駆が救い上げ。
涼を制止した。)
「やめろ。」
(音々の取巻きたちは、息を飲み。 涼は、音々の怒りが、
夏樹に向いていることに。 面白がり、煽り立てた。)
「・・・してんじゃねーよ・・。」
「無かったことに、してんじゃねーよ。」
(周囲の騒めきと。 音々の秘めた怒りに反し。)
(俯き、震える。 音々の声が、静かに響いた。)
***
「水色頭。」
「どうした、何かあったか?」
「しょげた顔してんな。」
(夏樹の様子が気になり、二年生の教室のある二階の廊下へ来た、
春人が、ソラを見かけ。 励まそうと。 鮮やかな水色の髪を
ぐしゃぐしゃと撫でた。)
「わっ! 先輩っ。」
(ソラは、春人が心配して来てくれたのだと分かった。)
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