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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-56
(夏樹の涙を見て、音々は、
感情を抑えることが、出来なくなった。)
(だが、憎しみに満ち、善の魔力に支配される、赤い瞳から。)
(音々は、涙を零すことが、出来なかった。)
「くっ・・。 くっ・・。」
(枯れ果てる心で、想いをぶちまけ。 音々は、床に座り込んだ。)
「落ち着け。 しっかりしろ。」
(駆け付けたソラが、音々を支え。 春人が、取り巻きたちを、廊下へ連れ出した。)
(音々は、青葉が、夏樹を好きだったと知っていた。)
(数少ないやり取りの中で。 青葉は、夏樹に会えることを、楽しみにしていた。)
(どんなに悔しかったか。 憎んでも、憎み切れない。)
(憎しみに身悶え、心が枯れ果て。 泣くことが出来ずに居る、音々と反対に。)
(夏樹は、音々の前で、泣いて居た。)
「言う通りだ。
僕が、彼女を死なせた。」
(夏樹の返答に、クラスメイトは、息を飲んだ。)
「! 夏樹!!」
(ソラは、怒り。 夏樹を制した。)
(だが、周囲に湧き出た、不安や恐怖を拭い去ることは、出来なかった。)
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