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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-71
(光は、獣と戦いながら、FOTとも、善とも違う、
別の集団が、善の繋いだ、空間通路から渡ってくる気配を感じた。)
「魔物じゃない。」
(光は、自ら生み出した障壁を。 注意深く、見つめた。)
***
「ここか。」
(勝は、人混みを掻き分け。 カメラを片手に、
規制線まで、進み出た。)
「何の騒ぎだ。」
「ふっ。 “人間”には見えない領域か?」
(目の前には、警察の規制線が張られていたが。
人並みの向こうには、崩れた外壁があるだけで。)
(人間である勝には、何も見えなかった。)
(それでも、勝の直感が、ここに何かが起こると。
踏み止まらせた。)
カシャッ
「氷置さん、マスコミが居ます。」
「この件については、報道管制が敷かれているんじゃ。」
(若い警察官、須藤が。 野次馬を整理しながら、
人混みの向こうから、こちらにレンズを向ける、勝の姿を見定めた。)
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