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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-78


(晃に続き、白が、空間通路を渡って来た。)

(白の生み出した、水の障壁が、夏樹たちを覆う。)

ビシュッ!

(水は、群衆の目から、全てを隠したが。
一瞬の出来事と衝撃を。 人々は目撃していた。)

カシャシャシャッ

(勝のカメラは、獣と夏樹と。 被害者の少女を捉えた。)

(激しい水流が、夏樹を、人々から遠ざける。)

バシャシャシャッ!

(夏樹は、手を握り締め。 うつむいたまま、顔を上げることが出来なかった。)

(遠くに、特殊部隊の声が聞こえる。)

【「国家機密法違反により、FOTを逮捕せよ。」】

【「FOTを捕らえよ。」】

(声は、幻の様に響き。 現実から夏樹を遠ざけた。)

(静乃が繋いだ空間通路が、特殊部隊員を切り離し。
FOTと皆を守った。)

***

(北通りに残されたのは、水浸しに、破壊された瓦礫と。
困惑する人々だけだった。)



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