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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter105 『風と共に』 105-82
『僕は、そのことを、知ってしまった。』
(夏樹は、苦悶した。)
『風の力が使えないのは。』
『僕が、“闇化”を望んでいないからだ。』
(夏樹の心が、“鍵”の力を抑えていた。)
(“闇化”が起きる仕組みを、知ってしまった夏樹が。
“鍵”の力を止め。 “闇化”を止めている。)
『“闇化”を抑えることは、長年の願いだった。』
『でも・・。』
(氷の様に冷たい手は。 何も解決していないと、
夏樹に伝えていた。)
(“闇化”と風の力は、同時に関係している。)
(“闇化”を望むことは、今の夏樹にはとても出来なかった。)
(長い間、“闇化”を抑えようと。 努力して来たのだ。)
(まだ、問題は解決していないと、本能で分かっていた。)
(冷たい自分の身体が、現実から取り残されている様だ。)
(“闇化”が止まった今が、夏樹の望む姿だろうか。)
「う・・っ。 う・・。」
(掴んだ、夏樹の胸元は、以前の様に、“闇化”の痛みに、苦しむことはなかった。)
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