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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-84


(女医は丁寧に治療し、優しく微笑んだ。)

「南美菜さんですね?」

「少し、お話を聞かせて下さい。」

(入口に、警察官が立って居た。)

「はい・・。」

(美菜は、力なく頷いた。)

「大丈夫?」

(母親は、心配そうに、肩を抱く。)

「お時間は、取らせませんので。」

(美菜を保護した警察官、須藤は、
案じながら、顔を覗いた。)

「怖かったな。」

「見たことを、正直に。 話してくれるか?」

(美菜は、躊躇いながら。 母を見つめた。)

「でも・・。」

(須藤の背後に、もう一人の警察官が立ち。
眼鏡の奥で、鋭い瞳を向けた。)

「心配するな。 君は、正常だ。」

「何人もが、見ている。」



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