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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-85


(須藤は、背後の警察官に振り向き、息を飲んだ。)

「氷置さん。」

「良いんですか?」

(書類を手に、記述しようとしながら、
須藤は、少女に質問している自分さえも。 目にした現実を、
信じることが出来ずに、躊躇っていた。)

「良いも何も。」

「明日には、ニュースになる。」

(氷置は、肩で笑った。)

「お前も、見ただろう?」

「この目で。」

(氷置は、鋭い目でニヤリと笑った。)

「君もだ。 自分の目を信じろ。」

「国が、隠してきた危機だ。」

「もうすぐそこに、迫っている。」

(見つめられ、美菜は小さく震え。
包帯を巻いた腕を、抱えた。)

『わたしが見たのは、本物・・?』

『あの恐ろしい“獣”と・・。』



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