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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-86


「・・・っ。」

『・・夏樹くん・・。』

(美菜は、身震いし、目を閉じた。)

***

「ねぇ、昨日の事件、見た!?」

「北通りのでしょう?」

(翌朝、通学路は、昨晩の北通りの出来事の話題で、湧いていた。)

「うん。 見た!」

「A組の子がケガしたって。」

(女の子たちは、身を寄せ合って、身震いした。)

「夢じゃないよね? あれって・・。」

「・・信じられないけど・・・。」

「あたし、音々から聞いたもん。」

(女の子たちは、手にした携帯から。 次々に流れ、更新されるメッセージに、
食い入り、身を乗り出した。)

「雨宮 夏樹が関係しているって。」

(一人の女の子の目が、赤く光った。)

「夢でも、創り物でもない。 あの“怪物”。」

「見たでしょ? 映画じゃないんだよ。」



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