HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-87


「本物。」

「街が壊れて、A組の子。 美菜がケガしたの。」

(音々からメッセージを受け取った少女は、ニヤリと笑った。)

(善の魔力を受けた、音々は、自身の中で、魔力と怒りを増幅させ。
周囲にも、その力を伝染していた。)

「もう、国も隠しておかないって。」

「あたしたちを、国民を守るために。」

「真実を明らかにし。」

「「正義を執行するの。」」

(少女と同じ言葉を。 遠く規制線の張られている、
現場を前に。 呟く音々が立っていた。)

***

「正義を執行する。」

(メッセージを受け取った少女を。 まるで音々は、操っているようだった。)

(携帯を操る音々の、カラフルなネイルの指先。
素早い操作で、扇動的に、人々の興味を誘い。)

(悪しき者を罰する、正義の行動に駆り立てた。)

「あたしが。」

「この街から、あいつ等を追い出してやる。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ