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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter105 『風と共に』 105-93


(遠くから聞こえる、夏樹自身の声が。)

(夏樹を揺さぶる。)

【そうすれば、全てが終わる】

(“鍵”は夏樹の中で、強く鼓動していた。)

***

(夏樹とソラの様子を、菖蒲と共に、そっと後ろから、
紫苑は見守って居た。)

(そして、snow dropの白いアーチの前で。
皆の様子を、ミイとピュアが見て居た。)

「夏樹くん。」

(いつも通り、学校へ向かうことを決めた夏樹に、
紫苑は頷き。)

(自分たちに謝る夏樹に、そっと手を伸ばした。)

「夏樹くんは、間違っていない。」

「一緒に、答えを探そう。」

(夏樹は、ここに居ること自体が、間違っていると思っていた。)

(存在していること自体が、全ての誤りなのだ。)

「うん。」

(そのことを、夏樹自身が、誰よりも分かっていた。)



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