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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter11 『白い鳥』 11-10


「・・ここは好かん。 医者は、嫌いじゃ。」

「まぁっ、ここは研究所よ。 彩先生は、お医者さんでもあるけど。

怖がらなくても平気よ。」

(艶は不機嫌そうに、顔を背けた。)

「子供扱いするでない。 さっさと行け。 剛が、欠片を持って来た。」

「! ほんとうに!?」

「すぐ行かなくちゃっ!」

(真紀は、慌てて扉に向かった。)

「ああっ、カードがっ!」

バササッ

(慌てて、真紀は、カードと一緒に、ペンやメモ帳を手元から取り落とした。)

「研究助手、真紀です。 入ります。」

(セキュリティーカードを急いで拾い出し、カメラにかざす。)

ピシッ

シュンッ

(あっという間に、扉の向こうに消えた。)

「・・入口くらい、自由に出入りできれば良いものを。」

「・・。 まぁ・・、わらわの翡翠の家よりは、容易いか・・。」



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