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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter11 『白い鳥』 11-3


(菖蒲は言い返した。)

「何?」

(菖蒲が反論しそうだったので、何を言われるか想像がつき。 身構えた。)

「夏樹様は、人目につきやすいんです。」

(言い終わる前に、夏樹は菖蒲の言葉を遮った。)

「色白だからとか、言うなよ・・。」

「言ってません・・。 ただ、近づいてはいけないオーラを出して

いらっしゃるから・・。」

バッ

(夏樹は、勢いよく立ちあがり、菖蒲の胸元をつかんだ。)

「今度言ったら、なぐるからな。」

「たまには、私にも言わせてください。 いつもからかわれてばかりでは、

いられませんよ。」

(菖蒲は、胸元を掴まれたまま、両手を降参する様に小さく上げていた。)

「ははっ。 そうだな。」

(夏樹は、思わず笑顔になった。)

「行こうか。 街は広そうだ。」

「ええ。」

(菖蒲も微笑み、二人は公用車に向かい、肩を並べ歩き出した。)



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