HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter11 『白い鳥』 11-5


(剛は、艶が晃と比べているのだと思い、笑った。)

「はっはっ! そりゃあ、姫の兄ちゃんには、誰も敵わねぇだろっ。

晃には、夏樹だって、敵わないだろうからなぁ。」

「兄様は・・・。」

(艶は、何か言いかけたが、剛の笑顔を見て、思い直した。)

「・・剛、わらわは、おぬしの笑顔が好きじゃ。」

(幼い姿の艶は、時折大人びた表情を見せる。)

(和装の美女を思わせる表情に、剛は驚いた。)

「おっ! なんだ。 俺に告白か? 残念だが、先約がいるからなぁ。」

(剛はからかうように、困った顔をした。)

「むっ。 家来にしてやっても良いと、言おうとしたのじゃ。」

(艶は、また幼い少女の表情に戻り、頬をふくらませそっぽを向いた。)

「わっはっは!」

ゴォォッ

(2人の進む先に、空間のうねりが生まれた。)

(黒と紫のマーブル模様の気流の向こう、光が差し、出口が近付いた。)

「出口だ。」

「まずは、研究所だな。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ