HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter11 『白い鳥』 11-6
「その後、いよいよ風見市か。」
「姫、手を離すなよ。」
(剛は、ごつごつした大きな皮手袋の手を、艶に差し出した。)
「うむ。」
(艶は、頼もしい剛の手に、小さな手を重ねた。)
『剛、そなたの手は好きじゃ。』
『けして壊れない、強さをもっておる。』
(艶には、剛の手が、とても力強く感じられた。)
コオォッ
(出口に近づき、剛が、艶に微笑んだ。)
「俺も家来にしてもらえたと、後で初代家来の、白に言わなきゃいかんな。」
「姫は、白のことがお気に入りだろうが?」
「あ・・、あいつはっ・・。 好かんっ!」
(艶が頬を赤らめた。)
「放っておくと、起きないような気がするから。
心配なだけじゃ・・。」
(頬を染め、艶は心から白を案じ。 黒い瞳を揺らした。)
シュンッ
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』