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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter11 『白い鳥』 11-8


「FOT No.9 剛だ。 大事な届け物だ。」

「彩所長は居るか?」

(剛の掲げたカードは、FOTメンバー用のセキュリティーIDカードだった。
カードには、剛の顔写真と、Fragment of Time No.9 Ability to Power の文字が
刻まれている。)

ピシッ

シュンッ

(軽い空気音がし、自動扉が開いた。)

「姫、ここでお待ちを。」

(剛は、菖蒲たちの真似をし、わざと左手を胸にあて、
お辞儀した。)

「早く行け。 弁当が冷めるであろう。」

「はっはっ、行ってくるぜ。」

(剛は、肩にかけたリュックの中に、千波から彩への差し入れを持っていた。)

シュンッ

(剛が入ると同時に、扉は勢い良く閉まった。)

「ふん。」

(閉ざされた扉の前にいると、すぐに、後ろから声がした。)

「あっ! 艶さん。」



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