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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter12 『届いた物』 12-10


(彩は、瞳をゆっくりと閉じた。)

『夏樹君の“闇”を見分ける能力を探る事が。』

『“闇”の謎を解くことに繋がると、聖君は言っていたわ。』

「良いところに目をつけたわね。 聖君。」

(彩は、テーブルの上で、腕を組んだ。)

『けれどこの分析の、本当の目的は、

夏樹君の力自体が、“闇”に影響を与えている可能性を知る事にある。』

(彩は、目を開け。 灰色のデスクの端に置かれた、小さな鏡を見つめた。)

(白衣の胸元に、銀の十字架のアクセサリーが、煌めいた。)

「剛。 私は迷わないわ。」

(視線を移し、ふと、デスクの上に持ってきた。 可愛い袋に包まれる、
千波の手作り弁当を目に留めた。)

(それは、夏樹が届けるように言ってくれた、
彩への優しい気遣いを思い出させた。)







『届いた物』
Chapter12 End

Fragment of Time・・・時の欠片の道しるべ



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