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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter13 『闇と最初の小さな一粒』 13-1
「・・夏っちゃ〜ん・・。 菖蒲ちゃんみたいな〜・・、不器用な〜・・
執事を持つと・・。 苦労するねぇ〜・・。 そう思うなぁ。」
(白は、リムジンの後部座席の下に敷いた、ふかふかする毛布にくるまり。
うっすらと、眠そうな目を半分開け、運転席の菖蒲を見上げた。)
「・・っ、すみませんっ。 わざとではないのですから、白さんまで
責めないで下さい・・。」
(菖蒲は、白手袋の手で、軽やかにハンドルを切り。)
(風見市の中にある、新緑の森に向かって、リムジンを進ませていた。)
「はっはっ。」
(後部座席のクッションソファーに腰掛け、夏樹は足元の白を見て
笑った。)
「白、眠れないの?」
「・・ゆっくり〜・・眠ってられないよ〜・・。 菖蒲ちゃんが・・運転以外は〜・・
まったく頼りに〜・・ならないんだもんね〜・・。 ぐぅ・・。」
(白は言いながら、寝息をたてた。)
「また、寝言ですかっ? 良く聞こえる寝言ですねっ・・。」
(菖蒲は、四角い黒縁眼鏡の奥で、黒い瞳を困ったように揺らめかせた。)
(夏樹は、毛布の中の白を見つめた。)
「白・・。」
「心配してくれてありがとう。」
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