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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter12 『届いた物』 12-3


「ああ。」

(所長の彩以外入れないその場所へ、招き入れられる剛を、羨まし気に、
研究員たちは、見つめた。)

ガチャッ

(彩は、ガラス扉を閉めた。)

「すげーな・・。」

(剛は、一つの扉の中に入り、自分の目の前に広がる。 無菌室のガラスを
外から見つめた。)

「へぇっ。 俺たちの努力のたまものってわけだ。」

「くすくすっ、そうね。 その一部よ。 ここに置いてあるのは、調査中のもの。」

「国の管理下にあるものってことね。」

(本棟の中心部に位置する、その場所は。
研究中の時の欠片の、保存庫になっていた。)

(床一面にダイヤの様な七色の時の欠片が、敷き詰められていた。)

(剛と彩は、円柱状に取り囲む。 一回り大きい外側の部屋の中に
入った。)

「無菌室の中には、入れてあげられないけれど。」

「この中は、声が外に聞こえないから。」

(彩は、そう言い。 顕微鏡に、受け取った時の欠片を取り付けた。)

「覗いてみて。」



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