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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter12 『届いた物』 12-4
「おう。」
(剛は、大きな身体を屈めた。)
「きれいでしょう?」
(彩は、剛の背中から、覗き込んだ。)
「眩しいな。」
(剛は、興味深げだった。)
「良く見て。」
(彩は、剛に近づいた。)
「ん?」
(剛がじっと見つめていると。 眩く光る、光の屈折の中に。
一瞬。 数秒の間に、何かが横切った。)
「何だ今のは?」
(瞬きする間に、見失ってしまったそれは。 まるで、黒い小さな煙か。
水面に流れ出た、黒い液体の様に見えた。)
「“闇”の痕よ。」
「こんな美しい欠片の中にも、消えずに残っているの。」
「これを取り出すことが出来れば、欠片の有効利用や、“闇”を解明するきっかけに
なるはずよ。」
「医学に活かせるかもしれないの。」
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