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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter12 『届いた物』 12-7


(剛は、彩に背を向け、手を振った。)

「がんばれよ。」

「今夜もおせーなら、差し入れ持ってきてやるぜ。」

(豪快に微笑み、部屋を出た。)

バタンッ

「ありがと。 そうね、夏樹君が動き出したなら、

今夜も帰れないわ。」

「そうですよね! 夏樹さんって、FOTメンバーの中でも、
欠片を見つけるのが、いつもお早いですもんね。」

(真紀は、静乃からのファイルを抱え、明るく笑った。)

「どなたよりも、熱心で。」

「努力家ですし。」

(彩は、真紀の言葉を聞き、何かを思い微笑んだ。)

「・・そうね。」

(赤い、ネイルの指先で、資料のページをめくり。
彩は、ファイルの一番最後に。 白い封が施されているのを見つけた。)

『聖からの隠しデータだわ。』

「資料ありがとう。 静乃さんに伝えて。」

(彩はそう言い、千波の差し入れを持ち。 研究室の奥にある、所長室へ向かった。)



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