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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter13 『闇と最初の小さな一粒』 13-10


(都合良く、辺りには誰もいない。)

カチッ

(夏樹は、左手の腕時計に、白い指先で触れた。)

ピッ

(指先に反応し、文字盤は、静乃が創り出した、
自動空間誘導システムに切り替わった。)

シュンッ・・

(夏樹の腕時計から、鋭い気流が、
直線状に辺りに走る。)

[「オート、オペレーションモード作動します。」]

[「自動、空間結合まで、カウントダウンを開始します。 5秒前・・。」]

(自動録音された、静乃の声が、夏樹にだけ聞こえる小音で流れた。)

ピッ

(男性は、気づかず。 噴水の前で立ち止まると。
元来た道の方へ、踵を返した。)

「来い・・。」

(夏樹は、腕時計を掲げ、伸ばした左手に。
何かが纏わりつく、不思議な重力を感じた。)

[「4・・。」]

「くっ・・。」



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