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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter13 『闇と最初の小さな一粒』 13-13


ゴォォーッ!

「・・・っ。」

(噴き上がる“闇”の圧力を、強い風で遮り、
夏樹は、巨大な“闇”を見上げた。)

ゴオオッ

(黒い水のうねりは、激しい強さで、男性の身体を飲み込み。 夏樹の前で、
あっと言う間に、人の姿をなくした。)

***

「来ました。」

(菖蒲は、モニターを注視した。)

「・・あの反応で、こんなに大きな“闇”が生まれるとは・・。」

「もっと小さな物と思っていました!」

(菖蒲は、激しく振れる、モニター機器の針に、不安を覚えた。)

「・・大丈夫でしょうか?」

(思わず白に振り返る。)

「・・だ〜いじょうぶ〜・・、菖蒲ちゃん〜・・。」

「・・夏っちゃんは〜・・強いからぁ〜・・・。」

(白の言葉に、菖蒲は白手袋の手で、止まっているリムジンの
ハンドルを強く握った。)

「信じて待つのも・・私の役目ですね。 夏樹様・・。」



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