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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter13 『闇と最初の小さな一粒』 13-14
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ゴォッ
(圧力を振り払い、夏樹は“闇”と対面した。)
(自分の、三倍ほどもある背丈のその生き物は。 流動する黒い液体の身体で、
目の前に立ちはだかった。)
(粘土の様に、形を変え、うねり。 巨大な爬虫類を思わせる
足と尾を持つ。)
(黒い目は、爛々と光っていた。)
「やっと会えた。」
「新しい街の、最初のターゲットだ。」
(夏樹は、臆することなく。 両足で踏み止まり、“闇”の前に出た。)
コオォッ
(肌から湧き上がる風が、開いた手から伝わり。)
(蒸気を帯びる、気流が、目に見える程だ。)
「その人から、出て行ってくれ。」
ゴオッ
(夏樹は、時計をはめた手に、強い風をまとった。)
「海風は、僕と相性が良い。」
(微笑み。 左手に集まる風に力を込めた。)
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