HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter13 『闇と最初の小さな一粒』 13-15
【ガァァッー!】
(“闇”は、黒く、底なしの口を開け、
押し寄せる泥の塊となり、襲い掛かり、牙をむいた。)
ザブンッ・・
(黒い身体は、流動し、足元をすくう。)
「・・んっ!」
(鋭い牙は、風と共に舞い上がった、夏樹の小さな体を捉えそこねた。)
ヒュオッ
「・・こいつ・・。」
(夏樹は、異空間の噴水が見下ろせる高さに、浮かんだ。)
(風をまとい、身体を自由に浮かせることが出来る。
牙が届かない高さで、夏樹はホバリングした。)
「口の中に、持ってる。」
(攻撃を避けながら、一瞬。 巨大な黒い口の中で、光ったのを
見逃さなかった。)
(左手に、鋭い風を保ち、空中で、“闇”が攻撃してくるのを待った。)
【ゴォォッー!】
(再び、巨大な口が、夏樹を襲う。)
(吠え声と、飛び散る黒い飛沫に、ゆがむ視界を定め。
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』