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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter13 『闇と最初の小さな一粒』 13-16


夏樹はチャンスを掴んだ。)

【ゴォォッ!】

(“闇”は、流動する身体で、空へ舞い上がる。)

(巨大に開いた黒い口に。 飲み込まれるほど近づき、
夏樹は空に止まった。)

「近くへ。」

(夏樹は、“闇”を捉えた。)

『“闇”を恐れるな・・。

光は、そこにある。』

(夏樹は、聖が口にする言葉を思い出した。)

「・・!」

「・・今だ。」

(左手で、飲み込む巨大な口を押さえ、
右手に風を集めた。)

コォッ

(目を逸らさぬように、黒く開いた巨大な口へ、
風をまとう右手を掲げる。)

【ゴゴゴッ!】

(“闇”は、苦しそうな唸り声を上げた。)

「・・っ。」



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