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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter13 『闇と最初の小さな一粒』 13-4


「目標は、一人で移動中です。」

(菖蒲の言葉に、夏樹は、顔を上げた。)

「ああ・・。」

(組んだ両手を解き、森の向こうにいる相手に。 意識を定めた。)

「新緑の森は、結界の中だ。 公園なら、上手くゆけば目撃者を作らないですむ。」

「急ごう。」

「・・菖蒲ちゃ〜ん・・夏っちゃ〜ん・・。 その前に〜・・。」

「ん?」

(白の眠そうな声に、夏樹は足元を見た。)

「もっと〜・・、大事なこと〜・・。」

(白が微かに顔を上げ、菖蒲に視線を向けた。)

「はい?」

(菖蒲は、ミラー越しに、低い位置にいる白を覗き込んだ。)

「何? どうかしたか?」

(夏樹も白を見る。)

「・・あのねぇ〜・・。」

「・・そこの〜・・、コンビニに〜・・寄って〜・・。」

「お腹へった〜・・。 ぐぅ。」



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