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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter13 『闇と最初の小さな一粒』 13-5


「は? あんなに食べたのに、もう減ったのか?」

「ははっ、何かと思いましたよ。 分かりました。 寄りますよ。」

(何事かと思った夏樹と菖蒲は、言いながら、再び眠り始めた白に、呆れて微笑んだ。)

「白さん、自由ですね?」

「くっくっ。 そうだな。」

(夏樹は笑った。)

***

キイッ

(真っ白なリムジンは、森林公園の入り口に、止まった。)

(付近には誰もいない。)

「ここか。」

ガチャッ

(夏樹は、リムジンのドアを開けた。)

(新緑の森に、一歩踏み出し、息を吸い込む。)

サワサワサワッ

「すうっ・・。 ここなら、思い切り動けそうだ。」

(辺りは、大小の緑豊かな木々に囲まれ。 平日のせいか、夏樹の周りには、
誰もいなかった。)



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