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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter14 『窓際の席』 14-14


(静乃は、教科書を抱え、手短に手持ちの通信機器でメールを打った。)

ガララッ

(教室のドアが開く。)

「静乃先生、席替えは、放課後にする?」

(2-Aの教室から、女生徒が三人、和気あいあいと顔を出す。)

(気軽に声をかけた佐織は、静乃を見下ろすくらいに背が高く。 すらりとした長身で、
長いストレートの茶色の髪をなびかせた。)

(佐織の後ろから、小柄なチイが微笑んだ。)

「ふふっ。 また、佐織の近くになれたらいいわね。 今度は、紫苑も。」

(焦げ茶色の丸くカールした、短い髪が品良く。 同じ色のリボンでまとめられて
可愛らしい。
丸い小さな頬に、穏やかな瞳が優しげな女の子だ。)

「うん。 でも・・。」

(紫苑は、期待の眼差しで、静乃の顔を見つめた。)

「好きな席・・じゃないですよね? 先生?」

(紫苑の、明るいベージュ色の髪が。 日差しに揺れる。)

(期待に輝く、ピンク色の頬にかかり、
可愛らしかった。)

「んん〜っ。 どうしようかなぁ?」

「基本はくじびきだけど〜・・。 OK! だいたいの希望は聞いちゃうわね。」



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