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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter14 『窓際の席』 14-2


「う〜ん。」

「今度はもう少しガードを固めよう。」

タッタッタッ

(こちらへ走って来る足音がする。)

「夏樹様っ!」

「菖蒲。」

(菖蒲は、急いで来ると、笑顔で微笑んだ。)

バサッ

(持ってきたタオルを、夏樹にかける。)

「ああ。 ありがと。」

「ご苦労様です。 とても大きな“闇”でしたね!」

(タオルで紺色の髪を拭いながら。 目の前の。 燕尾服に、身を包み。
流れる髪が、整った菖蒲の様子を見て、
欠片を得たものの、自分の緊張感と苦労を思うと。 夏樹は何だか気落ちした。)

「・・、欠片は小さなものだよ。」

(ジーンズのポケットから、時の欠片を取り出し、菖蒲に見せる。)

「そうですね。」

「けれど、大切な一つです。」

「あの方は、もうすっかりお元気なご様子で。」



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