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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter14 『窓際の席』 14-5


(菖蒲は、提案した。)

「では、次の欠片を回収しましたら、休憩致しましょう。」

「ちょうど、点滅し始めた地点に、美味しいパスタのお店があると。

静乃さんから、追伸メールが来ています。」

(菖蒲は、笑顔で運転席のモニターを見た。)

「・・静乃さん、抜かりないな。」

(夏樹も思わず微笑み、静乃に感心した。)

「光の射す、明るい道へ。・・か。」

(再び走り出した車窓から、見える青空は、澄んでいた。)

***

「光。 夏樹さんが、欠片を見つけたわ。」

(風見市内、高いビルの上に降り立つ。 葵は、森の方角を
見つめた。)

(葵のもとに、届く、風に。 夏樹の気配が、
異空間から戻ったのを感じる。)

サァァーッ

「この街の風は、夏樹さんみたいに、真っ直ぐね。」

(風は、葵の。 淡い、薄紫色のソバージュの髪を優しく揺らす。
葵の物腰は、令嬢の様に気品があり、美しかった。)

(葵の背後から、長身の人影が降り立つ。)



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