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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter15 『百聞は一見にしかず』 15-2


(青色のスーツの誠司は、見るからに誠実で。
焦げ茶色の整った髪に、茶色の瞳が温かく。 安心感を与える笑顔が優し気だ。)

「ど・・どうしましたじゃありませんっ。

市長・・。 どうしてそんなに平然としておいでなんです?」

「これをっ!

ご覧になりましたかっ?」

(三笠は、手元の書類を、誠司の顔の前に持ってきた。)

(背の高い誠司は、少しかがみながら。 三笠の手から、書類を受け取った。)

「ああ。 これですね。」

「国から風見市への、正式なFOT受け入れの、要請書です。」

「・・!」

(誠司の返答に、三笠が唾を飲み込んだ。)

「昨日、僕が受け取って、受理しました。

事務処理に必要でしょうから。 それを、念のため、

三笠さんにお送りしたのですが。」

「何か不備がありましたか?」

(誠司の笑顔に。 三笠は、何か言おうとして、息を飲んだ。)

「・・! ・・っ。」

「これは何かの陰謀ですぞっ!」



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