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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter15 『百聞は一見にしかず』 15-5


(机の上には、市長 春日誠司のネームプレートが置かれている。)

「三笠さん。 FOTは幻の組織だと言われていますが。」

「それでも、噂は聞いた事が、ありますね?」

(誠司は、笑顔で。 デスクから振り返った。)

「噂で・・。 その様な裏の組織が、国に存在していると

聞いた事はございますが・・。」

「まさか、我が市にそんな要請が来るとは・・思えませんっ。」

「噂を・・知っている者に、問いただしても。 皆口をつぐみますし。」

(三笠は、考えたく無いかのように、頭を抱えた。)

「何かの陰謀か・・。 良ければ、ただの悪戯じゃないでしょうか・・?

こんな紙きれ一つ・・。 信じるわけには、まいりません。」

(三笠の不安げな顔に、誠司は微笑んだ。)

「三笠さん。 FOTは怪しい違法な組織ではありません。」

「他の人と、違う。 特別な能力を持った方々の集団です。」

「たとえば、風を自由に操ったり。 空間を移動出来たり。」

「この要請書は。 その力を使って。 この街を守ってくれる。という意味の

契約書です。」

「彼らがこの街に滞在し、活動を行う事を許可する。ということです。」



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