HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter15 『百聞は一見にしかず』 15-8


「三笠さん、国からの正式な要請です。」

「受けなければ、これからこの街で起こる出来事を。

僕だけで防ぐ事は、到底出来ません。」

「何人もの、市民が。 犠牲になるやもしれません。」

「FOTの力を借りても。 街の崩壊、

自然破壊。 何らかの被害は起こり得ます。」

「僕達も、備える必要があるのです。」

(誠司の真剣な表情は、とうてい、冗談を言っていると思えなかった。)

(それに、誠司はいつも真面目で。 冗談を言う性格ではない。)

(三笠は、あきらめて。
とりあえず、FOTというものが存在するのだと。 自分に言い聞かせた。)

「・・分かりました。

百歩譲って。 FOTが存在するのだとして・・。」

「一体、何がこの街に起こると言うのですか?」

「・・、何かの反乱か・・。 デモか・・。」

(誠司の表情が曇った。)

「“闇”と呼ばれる、恐ろしい怪物が現れます。」

「人の、心に宿る。 魔物です。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ