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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter16 『触れてはいけないもの』 16-10


「取り出して。 集めるだけでは、

問題は、解決しない。」

「根本を解決しなければ。」

「“闇”の原因をたどる必要がある。」

「夏っちゃんは、他の誰より。 “闇”を見極める力がある。」

「だから。」

(晃は、視線を上げ。
聖を見た。)

「だから、あの時、夏樹を引き取った訳じゃないだろう。」

(晃の黒い瞳は、
鋭く睨んだ。)

「くっくっ。 晃君、怖いな。」

「そんな顔しないでくれ。」

「僕はね。」

(聖は、フェンスに肘をつき。 両手を
組んだ。)

「僕は・・。」

(ゆっくりと語り始めた。)

「忘れたくないからだよ。」

(聖は、指先の、銀の指輪を見つめた。)



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