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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter16 『触れてはいけないもの』 16-15


「ん。」

(聖は、金色の瞳を見開いた。)

『柔らかい・・。』

(指先に触れたものは、ふわりとして。

温かい。)

(動物の毛並みと、体温を感じた。)

「!」

「・・まずい。」

(聖は、もう一度感触を確かめて、
やや動揺した。)

「ネコだ。

晃君。」

(聖の言葉の意味が、すぐに分からず、晃は眉根を寄せた。)

「は?」

「くっくっ。 僕としたことが。 街の、どこかにいたネコに

触れたみたいだ。」

(晃は、切れ長の瞳で聖を睨んだ。)

「みたいだ・・、とは何だ?」

(聖は、意に介さず、笑っていた。)



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