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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter17 『面影』 17-12
(艶が、ため息まじりにつぶやいた。)
「ええ。
街の人々が、能力者の方々を。 “闇”の事実を受け止めるには。
時間がかかるでしょう。」
「そのため、国では、機密事項が
定められているのだと思います。」
「この書類も、その一つですね。」
(誠司は、剛から受け取った書類を手にした。)
(その中には、FOTのメンバーリストも添えられていた。)
(能力者は、それだけで異質の存在であり。
安全であると認められるために、国の認可を得る必要がある。)
(活動できる権限と共に、自由を奪ってしまうことが。
誠司には歯がゆかった。)
「いずれ、この街が。 皆さんと、自由に暮らせる場所になれば。
僕は嬉しいです。」
(誠司は、遠く。 思いをはせた。)
「僕が・・、初めて出会った能力者は。」
「とても。 健気に
その事と戦っていました。」
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