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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter17 『面影』 17-8


(剛の予感は、的中した。)

「・・。街中に、こんなうさんくさい連中が

自由に歩くかと思うと・・、恐ろしいっ!」

(艶は、小さな手のひらを開き。
オレンジと赤の混じる炎を創り出した。)

「艶!」

(剛が立ちあがったが、
生み出された、炎は。 艶の腕を這い。

しなやかに、四方に揺らめき。
身体を覆い始めた。)

ゴォッ!

「はっ・・!」

(誠司に向かって、必死に訴えていた三笠は。)

(艶の変化に気づかなかった。)

「姫、やめとけ。」

「大事な書類が、燃えちまうぜ。」

(鮮やかな炎は、生き物の様に、
形を変えながら。 漆黒の髪を、熱い風で舞い上がらせた。)

「あちちちっ・・!」

(三笠は、仰天した。)



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